本の未来を探す旅


ブルックリンやポートランドが何かと口の端に上る昨今、「ソウル」という響きに虚をつかれました。面白かったです。

東京でも独立系の本屋が増えてきて新たなブックカルチャーが芽吹き始めている矢先に、同じようなシーンが隣国でもすでに誕生していたという事実に驚かされます。タイムラグがなくなっている。

シーンを牽引しているのは80年代生まれの若い世代。彼らの大胆な行動力とポジティブな姿勢は東京のそれを凌ぐ勢いです。閉塞、停滞した経済状況の中で、まるで社会や他者に期待していない。未来を自らの手で切り拓こうとする断固とした意志がビシビジと伝わってきます。ページをめくるたびに熱気がこちら側に漂ってきます。いい本です。

ネット文化が日本より進行しているはずの韓国でリアルの本屋が元気という現象が興味深いですよね。NYでも東京でもソウルでも、どこもかしこも本屋熱。

漠然としていますが、やっぱり身体的にカルチャーに囲まれるという時間が皆好きなんですかね。知らない世界が無限に広がっているというワクワク感はスマホの画面のスクロールだけでは物足りなく、揺り戻しが来ているのでしょうか。

なんかバーやカフェでお酒のボトルがずらーと目の前に塊でディスプレイされているのを見て心躍るのと似ていますよね。何度来ても新鮮な発見がありそうな底知れなさ。

好奇心が人間を成長、前進させるガソリンだとしたら、好奇心の源泉である本屋の価値は不変ですし、今は店主のセンスも立ってきているので、店主を軸にしたコミュニティも醸成されて余計に楽しいのだと思います。

久しぶりに韓国に行ってみたくなりました。




















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