グアルディオラ


結局、スマホいじっている時は、ほとんどだいたいスポーツナビの海外サッカーページをチェックしています。で、ペップ信者としては最近やっぱり気になったのがこれ。

「グアルディオラといる3週間で学んだことは、キャリアを通じて学んだことを上回る」「グアルディオラはしゃべりすぎる。サッカーはもっとシンプルだ」

前者は現教え子からの賛辞の嵐。後者は元教え子のロートルドリブラーからの痛烈批判。
どちらにせよ、グアルディオラの監督としてのカリスマ性が強烈に伝わってきて、改めて、新たなチャレンジを控える氏への期待に胸が膨らんでおります。

まず、鬱陶しいほど「しぇべれること」をもっていることが凄いなー。
日本のサッカー中継の解説者あがりみたいに「雰囲気」でしかサッカーを捉えきれていない監督が多い中、「論理」を完璧に会得しているから、一つ一つの細部のプレーまで言語化できるのだと思います。名古屋グランパスとか、本当に大丈夫か。

グアルディオラが現代サッカー界でやっていることは、イノベイションとしか表現できないです。アップル社のスティーブジョブスがテクノロジー界で残してきたことと、人類にとっては同等の功績ではなかろうかと。勝手に思っています。

そこにある状態のものを改善し実績をあげるのではなく、
そもそもの根底にあるルールや概念自体から再構築しちゃうやつ。
グアルディオラのサッカーはまさにそれです。
GKがいてDFがいてその前にMFがいて最前列にFWがいる。
という固定概念とは完全に違うレイヤーでサッカーを捉えています。

バルセロナ時代の発明は、ゼロトップです。
当たり前にそこにあったFWという概念をなくしました。
相手DFにマークするはずのFWがおらず、中盤では確実に数的優位を作れるので、ゲーム全体を支配できるというカラクリです。

バイエルン時代の発明は、変動的な守備ラインです。他にもありそうですが。
最初4枚だったはずのDFラインが、途中からサイドバックが中盤に吸収され2バックに。と思ったら、GKのノイアーがほとんどスイーパーのような位置で3バックのように見える。結果、中盤では確実に数的優位を作れるので、ゲーム全体を支配できるというカラクリです。

しかも、グアルディオラの凄いところは、試合全体を支配するベースの戦術に徹底的にこだわりながらも、試合の勝敗を最後に決めるのは、選手の個の力であることをあっさりと認めてしまっているところでもあります。バルサ時代のメッシ。バイエルン時代の俊英ウィンガー陣然り。組織としての戦術の土台の上に、個の力を発揮させる余白もしっかり残してチーム作りしているんですね。いわゆるアート&サイエンスです。

きっと相手ありきで戦術を考える方が簡単だし楽です。
事実、そのようなカウンターサッカーで成功を納めている監督も多いです。

だからこそ、ゼロから自分の理想を追究し、スタイルを築き上げる監督の存在が尊いのです。誰かが叩き台を作らないと、その先に進歩していきませんから。ここ数年のサッカー界の進化を牽引しているのは間違いなくグアルディオラだと思います。

グアルディオラでいたいのか。
モウリーニョでいたいのか。

マンチェスターシティでの挑戦が楽しみで仕方ありません。





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